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屯田兵村兵屋跡②

兵屋跡の続きです。
ご自宅拝見。

靴を脱ぎ居間に上り込んで一人腰を下ろす。
目の前に良い感じにレトロな物入れが。
兵屋居間こうゆう家具欲しい。
左の棒は電燈か提灯か何か吊るすものだったらしい。それにしても良い味の家具です。そういえば家具も支給されたと聞きますが、持ち主は何を入れたんでしょうね。
兵屋 レトロランプレトロランプ。
電線が繋がってるけど当時も電気は通ってたんですかね。札幌だし通ってたか。
入植が始まったのは明治8年ですが、当時の人は、百年以上後にこのランプやボロタンスを見ただけで悦る人が出てくるとは思うまい。
兵屋 時計と神棚時計と神棚。
神棚が黒いのは古いから? わからんけど渋い。

以下、兵屋内を見物します。

奥の八畳間。新しい畳の匂いがします。
屋根。
兵屋 屋根現代人に受けが良さそうな屋根。
天井が無いので空間がとても広く広々。雨戸が開いていると採光もよく気持ちが良いです。そしてモダン。そしてオシャレ。

ですが、北海道でこの家はきつい!

これは冬の断熱レベルは我が家の物置以下です。
囲炉裏で薪を燃やしまくっても暖まらないでしょう。現代の建材で作った現代家屋ならともかく、まぁ土壁はなんか立派な感じするけど本当は木壁だったらしいし、木の雨戸と紙の障子じゃ……。屋根も実際は柾葺きだったそうだし、多分屋根にも隙間が出来てたんじゃないでしょうか。雪が吹き込みそう。冬場、布団の中で家族で固まって眠ったんでしょうか。地域によってはこの仕様では凍死の危険がありそう……
兵屋を設計する際、アメリカから来てたアドバイザーが「ストーブ付けろ」って言ったんだけど予算の都合で付けられなかったそうです。
しかもこれで周りが鬱蒼とした森じゃあ、夏は涼しいだろうけど蚊の大群が襲来するし、腹減り羆にドアか窓をアタックされたら一発で進入を許しそうです。

足を踏み入れた時は住みたいと思った私ですが、これは多分私には住めない。
これは土壁ですが、土壁の家は将校だけだったとどっかに書いてありました。一般兵の家は木の壁だったらしいです。
しかしこれでも他の民家や一般入植者の家より立派だったそうですよ。

あとこの家、頭上の空間が広いですが、部屋の境目にある鴨居の位置が低いです。障子も現代の物より高さが妙に低い。参考までにググってみましたが、明治33年17歳男子の平均身長が157㎝、女子が147㎝。成人するまでにもう少し伸びるだろうから、大人は150~160㎝くらい? ………って私とそんなに変わりませんでしたね。てゆうか同じ。
鴨居が低く感じたのは気のせいでしょうか。

八畳間を見渡すと、備え付けの棚が……
兵屋 銃架ってこれは銃架だー!(゚∀゚)

この時代の陸軍の銃は村田銃とかいう、羽蛇生村の志村さんが担いでた猟銃みたいな感じの銃でしょうか。村田銃はwikiでは明治13年採用(屯田兵入植が明治8年頃)と書かれていましたが、どうも屯田兵が新型小銃をさっそく持たせてもらえてそうな感じはしないので、もっと古い時代の銃でしょうか。それ以前はイギリスが作ったスナイドル銃というものを使っていたそうですが、なんか外見がかなり昔くさい。いかにも昔のイギリスの兵隊さんに似合いそうな銃でした。私が映像などで知っている小銃とはかなり違う。
沢山の銃を年代ごとに見比べていくと、構造とか解らなくても外見がどんどん現代的に洗練されていくのが分かります。思わず感動します。まぁそれだけ沢山の人が死んだってことなんで、感動するのは変な話ですがね。

とにかくこの銃架、部屋や棚の雰囲気的に日本の村田銃なら良く似合うと思いました。
兵屋 銃架 上銃架の上段。この窪みにはめて立て掛けておくんですね、よく分かります!
細い銃身が上手いことはまりそうですね。板の所に弾とか手入れの道具とか弾納とか、無造作に置いてあったのかなぁ。
こんな所にそんなものが置いてあったら、子供が絶対触りたがりますよね。私もよく祖父の猟銃をねらt
まぁそれで、「触るな!」って怒られたりすることがあったんだろうなぁ。としみじみ思いをはせる。
兵屋 銃架 下段この窪みに銃床が収まるんですね、よく分かります!
ここに……スナイドルだか村田だか知んないけど銃が……

小銃が……

しばらく一人で畳にうずくまって指で窪みをなぞっていました。

あ、写真の右下に映っている豚足みたいな手はシェル化した屍人の豚足です。

一時的に正気を失った私は「ひょっとしてどっかにハジキあるんじゃね?」という誰かの声に従って、屋内の納戸や物入れまで覗きこんで探しましたが、あるわけありませんでした。

囲炉裏側から兵屋に入ったのですが、土間を抜けて庭に出てみました。広い庭で畑になっており、誰なのか解らないけど兵屋の畑の世話をしている男性がいらっしゃいました。用が無いので特に声はかけませんでしたが、こうゆうときに他人と気さくに話せたら、よもやま話も聞けて得なんだろうなぁ。

ふと裏口の傍らをみると何やらありそうな扉が。
c51c7479.jpg矢印のところです。
緑の四角は銃架の位置。
兵屋 戸これがその扉。
右が奥内、左が畑。
何かありそうな扉ですが物入れか、いやひょっとしてこれは……






ギィ………







兵屋 厠厠だー!(゚∀゚)
てゆうかトイレ! こいつはどうみても汲み取り式です! しかも電気無い! 鍵もないよ!
なぜか便所なんか見てテンションが上がりました。
いかにもなんかこう……嫌いな子を泣くまで閉じ込めたくなるような個室ですね。
窓は木の格子。たかるでしょうね虫……そして臭いも……
いや、さすがにもう臭いは残っていませんが、でもこんなトイレじゃ絶対無理! と思う人は多いのでは? 私もあまり好きではありません。
しかもこれ、窓にガラスなんてはまってないから、畑に人がいたら音が丸聞こえじゃない。
昔は当たり前だったんでしょうけど、でもまぁ尻をハチに刺される心配とか、棒を蛇に噛まれる心配が無いと思えば、山よりマシです多分。壁と屋根があるだけ遥かにマシだろうよ。
こんな最先端便所に意外と高い評価をした自分に驚愕しました。

ですが、これと比べたらトイレとか無い山の中で清浄な森の空気を吸いながらフリーダムに用を足すほうが、衛生的にも気持ち的にも遥かに快適だと思います。

この兵屋の汲み取り式トイレか、山でのフリーダム式トイレか、用を足すのに度胸と勇気がいるのはどっちでしょうね!
私は……どっちでもいいや。

いや、そんなことよりこれ、溜まったら肥やしとして庭の畑に撒いたりしたんでしょうかね。私はそっちの方が嫌です。ある意味究極のエコですが、私は庭や庭で採れる食い物が臭いのは嫌だ。

どんだけ便所に食いついてんの自分。
銃架と同じくらいテンション上がってますよね。
これ以上ここに長居すると哲学が入りそうなので出ました。

兵屋裏手庭から見た兵屋の裏手。
昔の人の家って感じですね。いかにも和風な木の格子が珍しくて見てて楽しい。でもこれ多分、もっと南の地域の様式ですよね。そのまま北国で使っちゃった感じがします。それとも昔はどこもこうだったんでしょうか。
いちばん奥の小さな窓が厠ですよ。

この後は、すぐ近くの琴似神社境内にあるもう一軒の兵屋を見に行きました。


……ところで屋内を見学中、夢中になって危うく足を踏み外して落ちるところでした、囲炉裏に。同じような事故で大けがした人とか結構いそう。子供とか酔っ払いとか特に。
あとこの家の陰になぜかミニチュアダックスが繋がれていて、キュートな外見に油断して近づいたら、ものっそい吠えられまくりました。

吠えて正解w
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